防火扉の上枠擦れ改修工事を行いました
定期点検の際に、防火扉が最後まで閉まりきらないという不具合が見つかりました。
扉の上部が枠に当たってしまい、全閉できない状態です。今回は、その改修工事の様子をご紹介いたします。
STEP 1 施工前
扉の上部が枠にこすれてしまい、最後まで閉まらない状態でした。
こうした不具合は、建物自体が長年のうちにわずかに歪んだり、扉を支えるヒンジ部分が徐々にすり減ったりすることで起こることが多く、取り付け方に問題があったわけではありません。
今回はこすれを解消するため、扉全体をわずかに下げる調整を行うことにしました。
STEP 2 作業中(扉の取り外し)
まずは扉を取り外し、平らな場所に寝かせて作業を行います。
STEP 3 作業中(下部の加工)
枠にこすれてしまっている扉を下げるスペースを作るため、下部を数ミリ切断します。STEP 4 作業中(戸先部分の調整)
扉の先端部分は、消防用ホースを通すための小さな潜り戸になっており、可動する部品のため、まっすぐに切断することができません。
そこで、この部分だけは切断せず、取り付け方法を変える方法を選びました。
固定しているビスのうち一番下の箇所にワッシャーを挟み、戸先をわずかに持ち上げることで、扉を切断せずに必要な隙間を作っています。
状況に応じて工法を使い分け、扉本来の強度をできるだけ損なわないよう配慮しています。
STEP 5 作業中(親扉の調整)
もう一方の親扉についても、床がカーペット敷きで機能への影響が少ないことを確認したうえで、同様にゴム部材を切断しました。
STEP 6 作業中(オートヒンジの調整)
扉を元々の取り付け位置より下げ気味に取り付けて、「オートヒンジ」の閉鎖バネ力、スピードの調整を行いました。
豆豆知識:オートヒンジとは
オートヒンジとは、防火扉を一定の速度で自動的に閉め切るための装置です。
火災時、人が手で閉めなくても扉が自動で全閉し、煙や炎の拡がりを防ぐという、防火扉にとって非常に重要な役割を担っています。
このオートヒンジは内部の油の働きで開閉速度をコントロールしていますが、経年で油が劣化したり不足したりすると、閉まる速度が不安定になったり、途中で止まってしまったりすることがあります。
経年劣化に伴う不具合はオートヒンジの交換又は補助的にドアクローザー取付という方法があります。
STEP 7 施工後
上枠へのこすれが解消され、扉がスムーズに閉まるようになりました。
STEP 8 施工完了(全閉確認)
最後に、扉の全閉と閉鎖速度を確認して、作業完了です。
✓ワンポイントアドバイス
防火扉は、普段は目立たない存在ですが、火災の際に炎や煙の拡がりを防ぎ、避難や消火活動の時間を確保するための大切な設備です。
少しの擦れや閉まりの悪さも、いざという時に扉が正しく機能しない原因になりかねません。
火災発生時に正しく動作しなかった場合は、責任問題にもなり得ます。
改修の計画やお見積りのご相談は、お気軽にお問い合わせください。

